
「最近なんだかやる気が出ない...」
「秋から冬にかけて、気持ちが落ち込みやすい気がする」
「日が短くなると、なぜか憂鬱な気分になってしまう」
寒い季節になると、こんな気持ちになることはありませんか?
「気のせいかな」「たまたまかな」と思っていたその感覚、
実は単なる気のせいではないかもしれません。
季節の変化と私たちの気分には、想像以上に深い関係があるのです。
季節によって気分が変わるのは本当?
「季節性感情障害(SAD)」という現象
医学的にも、季節によって気分が変動する現象は認められています。
「季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder: SAD)」と呼ばれ、特に秋から冬にかけて症状が現れやすいことが知られています。
主な特徴:
- 秋から冬に症状が現れる:日照時間が短くなる季節に顕著
- 春になると自然に改善する:日が長くなるにつれて気分も回復
- 毎年繰り返す:特定の季節に規則的に症状が現れる
なぜ寒い季節に気分が落ち込みやすいのか?
1. 日照時間の減少
太陽光を浴びる時間が減ると、脳内の「セロトニン」(幸せホルモン)の分泌が低下し、気分の落ち込みにつながります。
2. 体内時計の乱れ
日照時間が短くなると、体内時計が乱れやすく、疲労感や倦怠感が増します。
3. メラトニンの分泌異常
暗い時間が長くなると、睡眠ホルモンのバランスが崩れ、睡眠の質が低下します。
4. ビタミンDの不足
太陽光を浴びることで生成されるビタミンDが不足し、気分の低下につながります。
5. 活動量の低下
寒さで外出が減り、運動量が低下することも気分に影響します。
季節性の気分変動への7つの対処法
1. 朝の太陽光を浴びる
起きたらすぐにカーテンを開け、午前中に意識的に日光を浴びましょう。
2. 光療法を活用する
明るい照明や光療法器具を使用することで、日照不足を補えます。
3. 規則正しい生活リズムを保つ
毎日同じ時間に起床・就寝し、体内時計を整えましょう。
4. 適度な運動を続ける
ストレッチなどの軽い運動でも気分を高める効果があります。屋外なら日光も浴びられて一石二鳥です。
5. 栄養バランスを意識する
ビタミンD、オメガ3脂肪酸、ビタミンB群を意識的に摂取しましょう。
6. 社会的なつながりを保つ
外出が億劫でも、週に1回は誰かと会う・話す時間を作りましょう。
7. 温かさを意識する
暖かい飲み物、入浴、適切な室温など、身体的な温かさを大切にしましょう。
「気のせい」で片付けないことの大切さ
季節性の気分変動は、脳内の化学物質や体内時計の問題であり、決してあなたの意志の弱さではありません。
「なぜ気分が落ち込むのか」を理解するだけでも、
自分を責めることが減り、心の負担は軽くなります。
今日からできる小さな一歩
1. 明日の朝、カーテンを開けて5分間窓際で過ごしてみる
2. 今日、10分だけ外を歩いてみる
3. 暖かい飲み物を用意して、ゆっくり味わってみる
4. 「季節のせいだから仕方ない」と自分に言ってあげる
5. 週末、友人や家族と短時間でも交流する時間を作る
小さな一歩から始めることで、季節の変化にも少しずつ対応できるようになります。
焦らず、あなたのペースで取り組んでみてください。